
「遠距離のまま、本当に結婚の準備なんてできるのかな」
月に1〜2回しか会えないのに、両家へのあいさつ、式場選び、新居探しと、決めることは山ほどあります。どちらの街に住むのか、仕事はどうするのか。考えるほど不安になって、話を先送りにしたくなる方もいるのではないでしょうか。
でも、遠距離恋愛から結婚したカップルの話を聞くと、「会えないからこそ計画的に進められた」という声が少なくありません。
この記事では、遠距離恋愛から結婚した5組の体験談をもとに、結婚までの流れと、準備を進めるコツ、かかったお金、住む場所と仕事の決め方をまとめました。
今回話を聞いた5組
| 距離 | 遠距離の期間 | 結婚までの流れのポイント | |
|---|---|---|---|
| Aさん(女性) | 横浜と水戸 | 結婚式まで | 東京で挙式。準備は「ふたりでやること」と「ひとりで決めること」に仕分け |
| Bさん(女性) | 東京と広島 | 交際中ずっと | 家族が東京・名古屋・広島に分かれ、海外挙式を選択 |
| Cさん(男性) | 熊本と鹿児島(約170km) | 交際中 | 両親へのあいさつで方言の壁にぶつかる |
| Dさん(男性) | 山口と大阪 | 4年 | 社宅制度の条件を目安に結婚の時期を決めた |
| Eさん(男性) | 大阪と広島 | 3年 | 両家の中間の神戸で挙式。新居は妻の要望を聞いて夫が探した |
ここからは、結婚までの流れに沿って、5組の体験を紹介します。
遠距離恋愛から結婚までの流れ
1. 結婚の時期を決める
遠距離のまま結婚の話を進めるには、「いつまでに結婚するか」をふたりで決めておくことが出発点になります。
Dさんは、会社の社宅制度が「独身寮に4年在籍した人」を条件にしていたことから、「4年続いたら結婚しよう」と目標を決めていました。Eさんは、遠距離の生活を抜け出すには結婚しかないと考え、仕事に打ち込みながら3年目に結婚にたどり着いたそうです。
ゴールの時期が見えていると、離れている間の不安が少し軽くなります。
2. プロポーズと両家へのあいさつ
プロポーズのあとは、両家へのあいさつです。遠距離の場合、両親の住む場所もばらばらなことが多く、日程調整がひと苦労です。
Dさんは、両親が名古屋と鳥取に住んでいたため、ふたりの仕事の休みを合わせ、両親にも事前に必ず在宅してもらうよう段取りしてから訪問しました。
Cさんは、妻の実家がある鹿児島へあいさつに行った日、ご両親の鹿児島弁がほとんど聞き取れず、妻に通訳してもらいながら食事をしたそうです。「びんたが痛い」が「ほほ」ではなく「頭が痛い」という意味だと知って驚いた、といいます。遠距離の結婚では、相手の地域の言葉や習慣に触れる機会も増えます。
3. 結納・顔合わせの場所を決める
結納や顔合わせは、どちらの家で行うかで迷いがちです。Dさんは、両家とふたりの住まいの中間地点にあたる神戸のホテルで結納を行い、どちらの家族も無理なく参加できたそうです。Bさんは、名古屋の両親に東京まで来てもらい、ふたりで手配した料亭で結納を行いました。
中間地点や、交通の便がいい大都市を選ぶと、移動の負担を分け合えます。
4. 式場と挙式スタイルを決める
式場の場所は、遠距離カップルがいちばん悩むポイントです。
- Aさん:横浜と水戸のどちらかではなく、両家の実家からの距離や、打ち合わせに集まりやすいことを考えて東京で挙式
- Eさん:大阪で開くつもりだったが、妻の親族の移動を考えて、少し広島寄りの神戸で挙式
- Bさん:親族や友人が東京・名古屋に分かれ、職場は広島。しがらみにとらわれるより、ごく近い身内と友人だけで海外挙式をすることに
Aさんは、まず結婚式場の相談窓口に行き、遠距離であることを伝えたうえで、必要な準備期間や式場の候補を教えてもらったそうです。会える回数が少ないカップルほど、最初に全体像を知っておくと、あとの準備が楽になります。
5. 打ち合わせと準備を進める
式場が決まったら、挙式日から逆算して準備を進めます。遠距離カップルの準備で共通していたのは、「会える日に決めることを、事前に決めておく」ことでした。
Aさんは、準備をリストアップしたうえで「ふたりがそろわないとできないこと」と「ひとりで決めてもいいこと」に仕分けました。式場との打ち合わせは半年で5〜6回ありましたが、彼に来てもらったのは予算の決定や衣装合わせなど2〜3回だけ。それ以外はAさんが決め、メールや電話で共有しました。
招待客の住所は共有のエクセルファイルで管理し、予算も「いくらでこうなった」と逐一報告して、すれ違いが起きないようにしたそうです。
Dさんも、会える日にその日のうちに決めなければならないことが多く、ときには口論になりながらも、帰りの新幹線の時間までに何とか決めたことがあったといいます。
遠距離恋愛からの結婚にかかるお金
遠距離からの結婚は、近くに住むカップルと比べてどのくらいお金がかかるのでしょうか。
遠距離からの結婚は、近距離のカップルよりお金がかかる、というのが5組の共通した実感でした。
- 交通費:Bさんは交際中、月2回ほど東京と広島を新幹線で行き来していた。Dさんの大阪と山口は新幹線で約2時間、家から家まで約3時間半
- あいさつ・結納の移動費:両家の住まいが離れているほど、移動の回数と費用が増える
- 打ち合わせのための移動費:式場との打ち合わせのたびに、どちらかが移動する
- 新居探し・引っ越し:結婚後に住む街が、どちらか一方にとって初めての土地になることも多い
Bさんは「交通費はかなり使ったと思う」と振り返っていました。結婚準備の予算を考えるときは、式や新居の費用とは別に、移動にかかるお金も見込んでおくと安心です。
住む場所と仕事はどう決めた?
どちらの街に住むか、仕事を続けるか辞めるか。5組はどうやって決めたのでしょうか。
遠距離恋愛からの結婚で、多くの人が悩むのが「どちらの街に住むか」と「仕事をどうするか」です。
Aさん:結婚後に退職して、夫の元へ
夫は全国転勤のある会社で、近いうちに転勤があることがわかっていました。夫からは専業主婦になって一緒に住んでほしいと言われましたが、Aさんはもう少し働きたい気持ちもあり、かなり迷ったそうです。
結局、結婚式の3か月後に退職して夫と暮らすことにしました。「結婚してからも離れ離れでは、結婚した意味があるのかと思った。一緒に暮らしてよかった」と話していました。
Bさん:夫の勤務地に新居。知らない街では人のつながりに助けられた
夫が単身用のマンションを出ることになり、夫の勤務地の広島で新居を探しました。Bさんがなかなか現地に行けない中、夫の先輩の奥さんが不動産会社を紹介してくれたり、代わりに物件を見に行って写真を送ってくれたりしたそうです。「知らない土地では、頼れる人がいることが本当に大事」と話していました。
広島に住んで8か月目に、夫の関東への転勤が決まりました。転勤の可能性がある仕事の場合は、住む場所が変わることも想定しておくとよさそうです。
Eさん:妻の希望を聞いて、夫が物件を下見
Eさんは、妻の希望を聞いたうえで休みの日に物件を探し回り、妻が大阪に来たときに一緒に見に行く、という流れをくり返して新居を決めました。
住む場所を決めるときは、次の点をふたりで話し合っておくと、あとで迷いにくくなります。
- どちらの勤務地に住むか(転勤の可能性はあるか)
- 仕事を続けるか、転職・退職するか、いつ動くか
- 実家との距離をどう考えるか
- 新しい土地で頼れる人やコミュニティはあるか
遠距離恋愛から結婚した人が感じたこと
大変なことも多い遠距離からの結婚ですが、終えてみてどう感じたのでしょうか。
会えないからこそ、計画的に進められた
Dさんは「遠距離はだらだら会うことができない分、メリハリがあった」と言います。スケジュールのプレッシャーがうまく働いて、結婚準備は比較的スムーズに進んだそうです。Aさんも「計画をしっかり立てたので、逆にスムーズに準備が進んだ」と振り返っていました。
離れていた時間はつらかった
一方で、Eさんは「会う前日や当日は幸せなのに、帰りの新幹線ではいつも切なかった」と話します。大阪と広島の中間の岡山や姫路で会っていた時期は、縁のない土地で会うことでかえってさびしさが増したため、自分が広島へ通うようにしたそうです。
それでも、ふたりの絆は深まった
Bさんは「遠距離は不安になることもあったけれど、かえって絆が深くなったと感じる」と話していました。Eさんも、大変だった分、すべてを終えたあとの充実感はとても大きかったといいます。
まとめ:会える日を大切に、準備は「仕分け」と「共有」で進めよう
遠距離恋愛から結婚までは、結婚の時期を決める、プロポーズと両家へのあいさつ、結納・顔合わせ、式場選び、準備の打ち合わせ、という流れで進みます。会える回数が限られる分、「ふたりでやること」と「ひとりで決めること」を仕分け、メールや共有ファイルで情報をそろえておくのが、5組に共通したコツでした。
まずは、ふたりで「いつまでに結婚するか」と「結婚後どこに住むか」を話し合うところから始めてみてください。この2つが決まると、ほかの準備の順番も自然に見えてきます。

コメント